はじめに

Autonomous Database (ADB) にはさまざまなツールが同梱されており、簡単にご利用いただけますが、 Oracle Analytics Desktop を使うと、ユーザーのPC上から Autonomous Database のデータを見える化できます。

Oracle Analytics Desktop は、デスクトップ・アプリケーションであり、データの探索および見える化するためのツールです。複数のソースからサンプル・データを簡単に検索したり、ローカルのデータセットを分析したり調査することが可能です。

Autonomous Database は暗号化およびSSL相互認証を利用した接続を前提としており、そのため接続する際はクレデンシャル・ウォレット(Credential.zipファイル)を利用する必要があります。

本章ではこのOracle Analytics Desktopを使用した Autonomous Database の見える化について確認していきます。


前提条件

  • ADBインスタンスが構成済みであること
    ※ADBインタンスの作成方法については、101:ADBインスタンスを作成してみよう をご参照ください。
  • クレデンシャル・ウォレットを取得済みであること
    ※クレデンシャル・ウォレットの取得については、104:クレデンシャル・ウォレットを利用して接続してみよう を参照ください。
  • Oracle Analytics Desktop は、Windows OS用とMac OS用がありますが、本章ではWindows OS用 を使って説明します。
  • Oracle Analytics Desktop をインストールするPCから、プロキシ・サーバーを経由せずに、直接、インターネットに繋がること。
    ※Oracle Analytics Desktop はプロキシ対応できません。

目次


所要時間 : 約30分


1. Oracle Analytics Desktop をダウンロードする

Oracle Analytics Desktop (OAD) をダウンロードします。

  1. 次のサイトから、Oracle Analytics Desktop のインストーラーをダウンロードします。

    Oracle Analytics Desktop ダウンロードサイト

  2. OADダウンロードサイトから、ダウンロードをクリックします。

    img1_2.png

  3. Oracleログイン画面が表示されるので、Oralceプロファイルを入力します。Oralceアカウントをお持ちでない場合、下の プロファイルの作成 をクリックして、Oralceアカウントを作成します。

  4. ダウンロード画面が表示されるので、Platforms から Microst Windows x64 (64bit) を選択し、ライセンス許諾のチェックボックスを チェック して、 zipファイル をクリックします。すると、インストーラーがダウンロードされるので、任意の場所に保存します。

  5. ダウンロードした zipファイル を解凍し、解凍したフォルダの中の exeファイル をダブルクリックしてインストールを開始します。インストールするフォルダ名は、日本語や空白を含まないように(例 C:\OAD )してください。また、フォルダの中は空である必要があります。

  6. インストーラーが起動するので、 Browse ボタンをクリックして、日本語や空白を含まない名前のフォルダに変更します。ファルダの中は空である必要があります。次に、Install ボタン、または、Upgrade ボタンをクリックして、インストールを始めます。

    フォルダを選択します。

  7. インストールが完了したら、 finish ボタンをクリックして、インストーラーを終了します。これで、Oracle Analytics Desktop をインストールできました。


2. スクリプトをSQLワークシートから実行してビューを作成する

Oracle Analytics Desktop でデータを見える化するためのビューを作成します。

データにはAutonomous Databaseで提供されているサンプルデータのSHスキーマ(売上実績)を使います。ビューを作成することで売上データを分析しやすい大福帳形式のデータにすることができます。ビューを作成するSQLは、Database Actions のSQLから実行します。

  1. メニュー画面から、インスタンスを選択してインスタンスのメニュー画面を表示します。

  2. インスタンスのメニュー画面から データベース・アクション をクリックします。

  3. Database Actionsの起動パッドで SQL をクリックします。

  4. SQLワークシートが起動します。ワークシートに次のSQLを貼り付け、 スクリプトの実行 ボタンをクリックします。下のスクリプト表示に view DV_SH_VIEWは作成されました と表示されたらOKです。
    これで、見える化するデータの準備ができました。1行目の drop文は再実行用で、ビューがなければ、エラーとなります。drop文のエラーは問題ありません。

     drop view DV_SH_VIEW;
    
     create or replace view DV_SH_VIEW as select
     P.PROD_NAME,
     P.PROD_DESC,
     P.PROD_CATEGORY,
     P.PROD_SUBCATEGORY,
     P.PROD_LIST_PRICE,
     S.QUANTITY_SOLD,
     S.AMOUNT_SOLD,
     X.CUST_GENDER,
     X.CUST_YEAR_OF_BIRTH,
     X.CUST_MARITAL_STATUS,
     X.CUST_INCOME_LEVEL,
     R.COUNTRY_NAME,
     R.COUNTRY_SUBREGION,
     R.COUNTRY_REGION,
     T.TIME_ID,
     T.DAY_NAME,
     T.CALENDAR_MONTH_NAME,
     T.CALENDAR_YEAR from
     SH.PRODUCTS P,
     SH.SALES S,
     SH.CUSTOMERS X,
     SH.COUNTRIES R,
     SH.TIMES T where
     S.PROD_ID=P.PROD_ID and
     S.CUST_ID=X.CUST_ID and
     S.TIME_ID=T.TIME_ID and
     X.COUNTRY_ID=R.COUNTRY_ID;
    

3. Oracle Analytics Desktop から Autonomous Database に接続し、データを見える化する

Oracle Analytics Desktop から Autonomous Database (ADB) への接続設定をつくります。ADBへの接続に必要なウォレットをまだダウンロードしていない方は、このページの上の前提条件のリンクからウォレットのダウンロード方法を参照してください。

  1. Windowsスタートメニューから、Oracle > Oracle Analytics Desktop をクリックし、Oracle Analytics Desktop を起動します。

  2. Oracle Analytics Desktop アプリケーションの右上の 作成 ボタンをクリックし、 接続 をクリックします。

  3. データセットの作成画面が表示されたら、 Oracle Autonomous Transaction Processing (または、Oracle Autonomous Data Warehouse を作成している場合は、Oracle Autonomous Data Warehouse )をクリックします。

  4. 接続の作成画面が表示されたら、 ダイアログで、各項目に接続情報を入力します。

    接続名 SALES_HISTORY
    説明 (空白)
    クライアント資格証明 (事前にダウンロードしておいたウォレットzipファイルを選択)
    ユーザー名 ADMIN
    パスワード Welcome12345#
    (インスタンス作成時に設定したADMINユーザーのパスワード)
    サービス名 atpXX_high


  5. 接続が成功すると、接続一覧に SALES_HISTORY が表示されます。

  6. 次に、見える化対象のデータセットを作成します。右上の 作成 から、データセット をクリックします。

  7. データセットの作成画面で、作成した SALES_HISTORY をクリックします。

  8. 新規データセットの画面で、左のスキーマ一覧から、ADMIN スキーマを展開し、DV_SH_VIEW を右の画面にドラッグ&ドロップ、または、ダブルクリックで、右側に追加します。

  9. 右のデータセットに追加されたので、右上の保存マークをクリックし、SALES_HISTORY と名前をつけて、OK をクリックします。

  10. 10秒ぐらい待つと、データセット画面の右上に、ワークブックの作成 ボタンが現れるので、クリックします。ワークブックは、実際にデータを見える化するダッシュボードになります。

    Note

    データセット画面一覧からデータセットを選ぶ、または、はじめに画面に戻り、作成からワークブックを選んでからデータセットを選択してもワークブックを作成できます。

  11. 新規ワークブック画面に変わり、左に SALES_HISTORYビュー の列情報が表示されるので、SALES_HISTORYビュー内の5つのデータ要素( PROD_NAME、PROD_CATEGORY、QUANTITY_SOLD、AMOUNT_SOLD、CALENDAR_YEAR)を複数選択(Ctrlキーを押しながらクリック)し、画面の右側にドラッグ&ドロップします。

  12. このデータにもとづいて、Oracle Analytics Desktop はデフォルトのグラフを選択しました。項目が自動的に配置されます。この例では、 Oracle Analytics Desktop はグラフに散布図を選択しました。グラフのドロップダウンメニューをクリックして、他の数十種類のグラフの中からお好みのグラフを選択できます。

    グラフの種類を積み上げ棒に変更すると、次のようなグラフになります。

  13. 項目の配置は、ドラッグ&ドロップすることで自由に変更できます。PROD_CATEGORY と CALENDAR_YEAR の配置をドラッグ&ドロップで入れ替えます。そうすると、配置にあわせてグラフが変わります。

    項目を入れ替えると、それにともなってグラフが変わります。

    Note

    項目の追加・削除もマウスで操作できます。また、別の項目セットを画面右側にドラッグ&ドロップすれば、同じ画面にグラフを追加できます。

  14. 必要に応じて、このワークブックを保存できます。画面右上の 保存マーク をクリックし、保存 をクリックすると、プロジェクトの保存ダイアログが表示されるので、プロジェクト名を入力して保存をクリックします。プロジェクトが保存されたというメッセージが表示されたらOKです。保存されたワークブックは、再度、開くことで、同じグラフを表示できます。


以上で、この章は終了です。
次の章にお進みください。


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