Oracle Integration(OIC) を使い始めるための準備作業として、OIC インスタンスの作成が必要になります。このハンズオンでは OIC インスタンスの作成方法を ステップ・バイ・ステップで紹介します。
OIC インスタンスの作成前に確認すること
OIC インスタンスを作成する前の確認事項について説明します。
1. Oracle Cloud アカウントの準備
Oracle Cloud のアカウントを準備します。無料のトライアル環境(フリートライアル)と有料のクラウド・アカウントのご利用が可能です。
無料のトライアル環境の取得には認証用のSMSを受け取ることができる携帯電話と、有効なクレジットカードの登録が必要です。詳細は下記URLのページをご確認ください。
トライアル環境のサインアップ手順はこちらをご確認ください。
Oracle Cloud 無料トライアル・サインアップガイド(PDF)
Oracle Cloud 無料トライアルに関するよくある質問(FAQ)
2. 作成可能なリージョンの確認
OIC インスタンスを作成可能なリージョンを確認します。詳細はこちらのマニュアルをご確認ください。
3. 制限事項の確認
クラウド・アカウントの発行時期により、作成可能な OIC インスタンスの種類が異なります。こちらのマニュアルに、OCI コンソールから作成する OIC Generation 2 インスタンスの作成条件が記載されています。
4. エディションの確認 (Standard or Enterprise)
OIC は、2つのエディション(Standard / Enterprise) が利用できます。それぞれのエディションで利用できる機能などはこちらのマニュアルに記載されています。
5. OIC インスタンス作成を実行するユーザーの確認
OIC インスタンスの作成を実行するユーザーは、以下の条件の通りです。
- 該当するIdentity Domain内のユーザーであること
- 該当するIdentity DomainのAdministratorsグループに所属していること
OIC インスタンスを作成する
1. サービス概要
Oracle Integrationは、アプリケーションの統合、プロセスの自動化およびビジュアル・アプリケーションの作成を可能にする完全に管理されたサービスです。 OIC は大きく3つの機能を提供します。
- アプリケーション統合: 統合を使用して、クラウドおよびオンプレミスのアプリケーション間の接続を設計、監視、および管理を実現
- プロセス自動化: プロセス・アプリケーションを作成して、ビジネス・ワークフローの自動化と可視化を実現
- ビジュアル開発: カスタムWebアプリケーションおよびモバイル・アプリケーションの迅速な開発を支援するローコード開発プラットフォーム
2. 準備
2.1 OCI コンソールにサインイン
OICインスタンスは、Oracle Cloud Infrastructure コンソール(以降OCIコンソール)から作成します。ここでは、OIC インスタンスを作成するユーザーを利用し、OCI コンソールにアクセスします。
詳細はこちらをご確認ください。
2.2 コンパートメントの作成
OIC インスタンスは、基礎となるインフラストラクチャとしてOracle Cloud Infrastructure (OCI) を使用します。OIC インスタンスを作成するには、まず専用のコンパートメントを準備します。
ルート・コンパートメントに OIC インスタンスを作成する場合は、この手順をスキップすることができます。
OCI コンソールの左上のメニューをクリックし、アイデンティティ
とセキュリティ
→コンパートメント
を選択します。
コンパートメントの作成
をクリックします。
名前と説明を入力し、作成
をクリックします。ここでは以下の通りに入力します。
key | value |
---|---|
名前 | OIC |
説明 | OIC |
親コンパートメント | ルートコンパートメント「テナント名(ルート)」が選択されていることを確認 |
OIC コンパートメントが作成されることを確認します。
2.3 アイデンティティ・ドメインを使用するクラウド・アカウントでのユーザー、グループおよびポリシーの設定
クラウド・アカウントの作成前にアイデンティティ・ドメインを使用するように更新されたリージョン内のクラウド・アカウントの場合、ユーザーおよびグループはOracle Cloud Infrastructure Identity and Access Management (IAM)でのみ設定されます。
アイデンティティ・ドメインでは、次の図に示すように、ロールがドメイン内のOracle Cloud Infrastructure IAMグループに割り当てられます。
2.3.1 アイデンティティ・ドメインでのIAMグループの作成
アイデンティティ・ドメインに、インスタンス管理者や読取り専用グループなどのグループを作成します。
詳細はこちらをご確認ください。
2.3.2 アイデンティティ・ドメインでのIAMポリシーの作成
指定されたテナンシまたはコンパートメント内のOracle Integrationインスタンスと連携する権限をドメイン・グループのユーザーに付与するポリシーを作成します。
詳細はこちらをご確認ください。
2.3.3 アイデンティティ・ドメインでのユーザーの作成
Oracle Cloud Infrastructureアイデンティティ・ドメイン内のグループに割り当てるユーザーを作成します。
詳細はこちらをご確認ください。
以上で、OIC インスタンスの管理とOICインスタンスの利用ユーザーの管理の両方が、OCI コンソールから操作できるようになりました。
3. 作成
3.1 OICインスタンスの作成
OCI コンソールを開きます。 OIC インスタンスを作成するリージョンを選択します。ここでは US East (Ashburn) を選択します。
OIC インスタンスが作成可能なリージョンを選択してください。詳細はこちらのマニュアルをご参照ください。
左上のナビゲーションメニュー→開発者サービス
→アプリケーション統合
を選択します。
コンパートメントを選択し、統合インスタンスの作成
をクリックします。ここでは前の手順で作成した OIC コンパートメントを選択します。
以下の内容を入力し、作成
をクリックします。
key | value |
---|---|
表示名 | oicinstance001 |
エディション | Enterprise |
ライセンス・タイプ | 新しいOracle Integrationライセンスのサブスクライブ |
メッセージ・パック | 1 |
各入力項目の解説
入力項目 | 説明 |
---|---|
表示名 | OICインスタンスの表示名。OIC インスタンスにアクセスする際のURLに含まれます。 |
エディション | 標準 or ENTERPRISEより選択。エディションごとに利用できる機能の違いは、こちらのマニュアルをご参照ください。 |
ライセンス・タイプ | 新しいOICライセンスのサブスクライブ or 既存のFMW ライセンスをOICに使用します(BYOL) より選択 |
メッセージ・パック | メッセージパック数を選択。ライセンスタイプにより、1パックあたりのメッセージ数が異なります。 |
OIC インスタンス作成が開始されます。プロビジョニング中のインスタンス名をクリックします。
プロビジョニング中の OIC インスタンスの詳細が確認できます。インスタンスが作成中であることを確認します。 また、作業リクエストのステータスが進行中で、%完了が 0 より大きい数値となっていることを確認します。
しばらくすると、OIC インスタンスの作成が完了します。作業リクエストのステータスが成功
で、%完了が 100
であることを確認します。
OIC インスタンスの作成が正常に行われた場合、通常10-20分程度で完了します。作業リクエストのステータスが「受け入れ済」、%完了が「0」のまま進まずに待機中状態が続く場合は、弊社サポートサービスへのお問い合わせ(サービス・リクエストの起票)をお願いいたします。
3.1 アイデンティティ・ドメインのグループへのOracle Integrationロールの割当て
Oracle Integrationインスタンスの作成後、Oracle Integrationロールをユーザーのグループに割り当てて、Oracle Integrationインスタンスの機能の使用を許可します。
詳細はこちらをご確認ください。
3.2 確認
インスタンスがアクティブであることを確認し、サービス・コンソール
をクリックします。
OIC インスタンスのユーザーインタフェースが開きます。
以上で、このチュートリアルは終了です。お疲れさまでした。