Visual Builder Cloud Service (VBCS) は、ユーザー・インタフェース(UI)・コンポーネントをページにドラッグ&ドロップするだけで、Webアプリケーションやモバイル・アプリケーションを作成するためのビジュアル開発ツールです。

このチュートリアルは、REST APIで取得したデータをVBCSアプリケーションで表形式で一覧表示する手順について説明します。

前提条件

Webアプリケーションの作成

このパートでは、VBCSで Web アプリケーションを作成する際に、最初に定義する ビジュアル・アプリケーション と Web アプリケーション を作成する手順を説明します。

ビジュアル・アプリケーションの作成

VBCSでは、最初に ビジュアル・アプリケーション を作成します。 ビジュアル・アプリケーションは、Web アプリケーションやモバイル・アプリケーションを開発するために使用するリソースの集まりです。 アプリケーションのソース・ファイルや、メタデータが記述された JSON ファイルを含んでいます。

Web ブラウザを開き、提供された OIC インスタンスのURLを入力します。もしくはOCIのコンソールから「開発者サービス」-「アプリケーション統合」から作成済みのOICインスタンスを選択し、「サービス・コンソール」からOICコンソールを開きます。

左ナビゲーションメニューの「ビジュアル・ビルダー」をクリックします。

VBCS の 「Visual Applications」 ページが表示されたら、「New Application」 ボタンをクリックします。

「Create Application」 ダイアログ・ボックスが表示されます。 次の表のように設定します。

設定項目 設定する値 説明
「Application name」 RestApiTutorial アプリケーションにつける名前
「Id」 RestApiTutorial アプリケーションのID。アプリケーションの URL にも用いられるので、VBCSのインスタンス内で一意である必要があります。
「Description」 Tutorial Application アプリケーションの簡単な説明
「Application template」 Empty Application (デフォルト) アプリケーションのテンプレート

値を設定したら、「Create Application」 ダイアログ・ボックスの 「Finish」 ボタンをクリックします。

ビジュアル・アプリケーションが作成されると、VBCSのアプリケーション・デザイナでビジュアル・アプリケーションがオープンします。 アプリケーション・デザイナにはアーティファクト・ブラウザとWelcomeスクリーンが表示されます。 Welcomeスクリーンには、VBCSでアプリケーションを作成するためのタスクのガイドが表示されます。

アプリケーション・デザイナの左側の領域はアーティファクト・ブラウザと呼ばれる領域で、アプリケーションを構成する各種ソース・ファイル(HTML/CSS/JavaScriptなど)や、データ・アクセスや画面フローの設定などアプリケーションを実行する際に必要となるメタデータ(JSONファイル)が表示され、アクセスできます。

アーティファクト・デザイナには、次のタブ・ページがあります。

項目 アイコン 説明
Mobile Applications モバイルデバイスの機能を利用するネイティブモバイルアプリケーションを作成します。
Web Applications デスクトップおよびモバイルデバイスのブラウザーで実行される最新のWebアプリケーションを作成します。
Services サービス接続を作成して、サービスによって提供される既存のRESTエンドポイントを使用し、それらをアプリケーションで使用します。
Business Objects ビジネスオブジェクトを作成して、アプリケーションのニーズに基づいてデータベースのカスタムRESTエンドポイントを定義します。
Layouts レイアウトは、実行時に動的コンポーネントに表示されるフィールドを定義します。
Components アプリケーションで使用する追加のコンポーネントを入手します。
Processes Oracle IntegrationのProcess機能を使用して、ビジネスプロセスをアプリケーションに統合します。
Source View 作成されたアプリケーションをソース形式で確認・編集することができます。

画面上部のアプリケーションの名前(Application nameとして指定したテキスト)の右隣に表示される 「DEVELOPMENT」 と 「1.0」 はそれぞれ、アプリケーションのステータス(development: 開発中を表す)とバージョンを表しています。

Web アプリケーションの作成

VBCS のビジュアル・アプリケーションは、1つ以上のWebアプリケーションまたはモバイル・アプリケーションを持ちます。 このチュートリアルでは、Webアプリケーションを作成します。

アーティファクト・ブラウザの 「Web Applications」 タブ をクリックします。 そのあと「+ Web Application」 ボタン(またはアーティファクト・ブラウザの右上にある 「+」 アイコン)をクリックします。

「Create Web Application」 ダイアログ・ボックスが表示されたら、 「Application Name」 フィールドに 「AreaAnalysis」 と入力し、 Navigation Style に 「None」 を選択し、 「Create」 ボタンをクリックします。

AreaAnalysisアプリケーション のアーティファクトが生成されます。 ページ・デザイナで表示されている 「main-start」 が、アプリケーションの起動時に最初に表示される画面です。

アーティファクト・ブラウザで 「areaanalysis」 ノードを展開するとWebアプリケーションの構造が表示されます。 「main」 ノードを展開すると 「main-start」 ページが表示されます。

サービス接続の作成

このパートでは、前のパートで作成したビジュアル・アプリケーションにサービス接続を作成します。 サービス接続を作成することにより、外部 REST サービスの呼び出しをコーディングなしに設定することが可能です。

アーティファクト・ブラウザの 「Services」 タブを開いて、 「+ Service Connection」 ボタン、または右上部にある 「+」 ボタンから「Service Connection」をクリックします。

「Create Service Connection」 ポップアップ・ボックスが表示されたら、 「Define by Endpoint」を選択します。

以下の内容を設定して、 「Next > 」 ボタンをクリックします。

設定項目 設定する値 説明
「URL」 https://opendata.resas-portal.go.jp/api/v1/cities?prefCode=1 外部 REST サービスの URL

地域経済分析システム(RESAS:リーサス)のデータ提供API(以下「本API」と称する。)は、 内閣府 地方創生推進室またはその代理人が運営しています。APIへアクセスするには、リクエストヘッダーX-API-KEYにAPIキーを設定する必要があります。

「Request」 タブ -> 「Headers」タブを開いて、「+ Static Header」ボタンをクリックします。

以下の内容を設定します。

設定項目 設定する値 説明
「Name」 X-API-KEY 外部 REST サービスのリクエスト・ヘッダーの名前
「Value」 ご自身で取得したRESAS API KEY 外部 REST サービスのリクエスト・ヘッダーの値

「Test」 タブを開いて、「Send Request」ボタンをクリックします。

レスポンスが表示されたら、「Save as Example Response」ボタンをクリックし、「Create」ボタンをクリックします。

サービス接続が作成されていることを確認します。

変数の作成

このパートでは、変数を作成します。この変数は、サービス接続によって設定した REST エンドポイントによって取得したデータを保持します。

アーティファクト・ブラウザの 「Web Applications」 タブ を開きます。 「main」 ノードを展開し、「main-start」 をクリックします。 アプリケーション・デザイナで main-start ページが表示されます。

アプリケーション・デザイナの Variables タブをクリックします。 「+ Variable」 ボタンをクリックします。

「ID」 フィールドに cityListSDP と入力し、 「Type」 フィールドで 「Service Data Provider」 を選択したら、 「Create」 ボタンをクリックします。

Service Data Providerとは
ServiceDataProvider は、サービス エンドポイントからデータを取得し、listView コンポーネントと table コンポーネントにバインドできるデータソースを表します。 フィルタリング、並べ替え、ページネーションなどのさまざまな機能をサポートします。

変数「cityListSDP」が作成され、アプリケーション・デザイナで表示されます。プロパティ・インスペクタで、 「Select Endpoint」 ボタンをクリックします。

「Select Endpoint」 ダイアログ・ボックスで「Services」 →「前のパートで作成したサービス接続の名前(ここでは、apiV1)」 → 「GET /cities」を選択して、「Next > 」 ボタンをクリックします。

「result」隣のチェックボックスにチェックを入れて、「Finish」 ボタンをクリックします。

main-startページの編集

このパートでは、main-startページを編集して、REST エンドポイントによって取得したレコード一覧をテーブル形式で表示します。

アプリケーション・デザイナの Page Designer タブをクリックします。

アプリケーション・デザイナの左側には、コンポーネント・パレットが表示されます。 コンポーネント・パレットは、デザイナの左にある コンポーネントタブで表示/非表示を切り替えることができます。

コンポーネント・パレットを下にスクロールし、 「Collections」 カテゴリの 「Table」 コンポーネントを、タイトルの下にドラッグ&ドロップします。

追加された Table コンポーネントのプロパティ・インスペクタで Data タブを開きます。 「Data」 フィールドには、テーブルに表示するデータの設定が記述されています。「Data」フィールドにカーソルを合わせて、「▼」をクリックします。

変数「cityListSDP」をクリックします。

テーブル・コンポーネントのプロパティ・インスペクタの 「Data」 タブ・ページでは、テーブルの列の指定、列ヘッダーのテキストの変更、並べ替えの無効化/有効化を行うことができます。

テーブルの列を指定します。「Table Columns」の右にある「」をクリックします。

「Simple Field Columns」の下に表示されている 「bigCityFlag」、「cityCode」、「cityName」、「prefCode」 を順番にチェックします。

テーブルの列ヘッダーのテキストを変更します。「Table Columns」 リストの上から一番目の 「bigCityFlag」 の「>」をクリックして「Columns, Header Text」から 「特別区・行政区フラグ」 に変更し、「Columns, Sortable」から「Disabled」に変更します。

次の表のようにテーブルの他の列のヘッダーのテキストを変更し、並べ替えを無効化します。

変更前のテキスト 変更後のテキスト 変更前の並べ替え 変更後の並べ替え
cityCode 市区町村コード Auto Disabled
prefCode 都道府県コード Auto Disabled
cityName 市区町村名 Auto Disabled

これから、テーブルのスクロール・ポリシーを変更します。Table コンポーネントのプロパティ・インスペクタで All タブを開きます。 下にスクロールし、「Scroll Policy」を「Load More On Scroll」から 「Load All」 に変更します。

動作確認

最後に作成した画面を動作確認しましょう。

画面右上にある 「▷」(Run アイコン) をクリックします。

以下のような画面ができていることを確認できます。 下にスクロールして、すべてのデータが表示されていることを確認してください。

更新日時: