0. 概要

ファイル・ストレージ は、ヘッドノードとなる マウント・ターゲット とストレージとなる ファイル・システム から構成されるマネージドNFSサービスで、以下の特徴から高い可用性と運用性を求められるHPC/GPUクラスタ向けのファイル共有ストレージに最適なサービスです。

  • マウント・ターゲット がHA構成となっていて高いサービス可用性を提供
  • ファイル・システム 内のデータが複製されていて高いデータ可用性を提供
  • マウント・ターゲット のアップグレードによる動的な性能向上が可能(※1)
  • マウント・ターゲット のソフトウェアメンテナンスが不要
  • OCIコンソールからGUIでデプロイできるのため構築難易度が低い

※1)アップグレードで選択可能なHigh Performanceタイプの マウント・ターゲット の詳細は、 ここ を参照してください。

これに対しマネージドブロックボリュームサービスの ブロック・ボリューム は、ベア・メタル・インスタンスと組み合わせることで ファイル・ストレージ よりもコストパフォーマンスの高いファイル共有ストレージを構築することが出来ますが、システム構築や運用は圧倒的に ファイル・ストレージ が容易です。
ファイル・ストレージ とブロック・ボリュームNFSサーバの比較詳細は、 OCI HPCテクニカルTips集HPC/GPUクラスタ向けファイル共有ストレージの最適な構築手法 を参照してください。

以上を踏まえて本チュートリアルは、 ファイル・ストレージ を使用するファイル共有ストレージを構築、ファイル共有クライアントとなる計算/GPUノードからこの領域をマウントし、必要に応じて マウント・ターゲット のアップグレードを適用するまでの手順を解説します。

システム構成図

所要時間 : 約1時間

前提条件 : ファイル共有ストレージを収容するコンパートメント(ルート・コンパートメントでもOKです)の作成と、このコンパートメントに対する必要なリソース管理権限がユーザーに付与されていること。

注意 : 本コンテンツ内の画面ショットは、現在のOCIコンソール画面と異なっている場合があります。


1. HPC/GPUクラスタ構築

本章は、ファイル共有ストレージのファイル共有クライアントとなるHPC/GPUノードを含む、HPC/GPUクラスタを構築します。

この構築手順は、 OCI HPCチュートリアル集HPCクラスタ カテゴリや 機械学習環境 カテゴリの各チュートリアルから、自身の要件に合うHPC/GPUクラスタの構築手法を選択して参照してください。


2. ファイル共有ストレージ環境構築

2-0. 概要

本章は、 ファイル・ストレージ を利用してファイル共有ストレージ環境を構築、必要に応じて マウント・ターゲット を標準タイプからHigh Performanceタイプに変更します。

2-1. ファイル・ストレージ構築

ファイル・ストレージ の構築手順は、 OCIチュートリアルその6 - ファイルストレージサービス(FSS)で共有ネットワークボリュームを利用する を参照してください。
この際、 マウント・ターゲット を接続するサブネットを計算/GPUノードが接続しているサブネットに指定します。

2-2. マウント・ターゲットのタイプ変更

以降の手順を適用して マウント・ターゲット を標準タイプからHigh Performanceタイプに変更すると、変更が完了した時点で最低でも30日分の費用が発生する点に留意します。

OCIコンソールにログインし、 ストレージマウント・ターゲット とメニューを辿ります。

次に、表示される以下画面で、対象の マウント・ターゲット をクリックします。

画面ショット

次に、表示される以下画面の マウント・ターゲット情報 タブの マウント・ターゲット・スループット フィールドの 編集 ボタンをクリックします。

画面ショット

次に、表示される以下 マウント・ターゲットのパフォーマンスの更新 サイドバーの マウント・ターゲット・スループットの選択 プルダウンメニューで 80HPMT-80)を選択し、 変更の保存 ボタンをクリックします。

画面ショット

これで、このチュートリアルは終了です。

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