この文書は Oracle Content Management(OCM) のインスタンス作成方法をステップ・バイ・ステップで紹介するチュートリアルです。
【お知らせ】
この文書は、2021年11月時点での最新バージョン(21.10.2)を元に作成されてます。
チュートリアル内の画面ショットについては、現在のコンソール画面と異なっている場合があります。
1. 準備
1.1 OCM インスタンス作成手順の説明
インスタンスの作成手順は以下の通りです
このチュートリアルでは、以下の条件で作成します
- ホームリージョンは US East(Ashburn) を選択
- インスタンスの作成ユーザーは テナント管理ユーザー
- コンパートメントを作成(コンパートメント名=OCE)
- ライセンス・タイプは Premium Edition を選択
1.2 Oracle Cloud の環境を準備する
Oracle Cloud のアカウントを準備します。無料のトライアル環境も利用することもできますので、この機会に取得してみましょう。
なお、トライアル環境の取得には認証用のSMSを受け取ることができる携帯電話と、有効なクレジットカードの登録が必要です(希望しない限り課金されませんので、ご安心ください)
トライアル環境のサインアップ手順はこちらをご確認ください。
1.3 Oracle Cloud にサイン・インする
OCM インスタンスは、Oracle Cloud Infrastructure コンソール(以降OCIコンソール)から作成します。ここでは、前の手順で作成した テナント管理ユーザー で OCI コンソールにアクセスします
こちらのチュートリアルもあわせてご確認ください
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Webブラウザで、以下のURLにアクセスします
- https://cloud.oracle.com
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Cloud Account Name (クラウドアカウント名) を入力し、Next をクリックします。
Cloud Account Name には、Oracle Cloud 契約時、もしくはトライアル環境を申し込んだ際に払い出される一意のID(クラウド・アカウント)を入力します -
Single Sign-On (SSO) のIdentity Providersで oracleidentitycloudservice が選択されていることを確認し、その下の Continue をクリックします。
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ユーザー名 と パスワード を入力し、サイン・インをクリックします
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OCI コンソールが表示されます
1.4 委任ユーザーを作成する
この手順は必須ではありません。
委任ユーザーを作成せず、テナント管理ユーザーで OCM インスタンスを作成する場合は、ここをスキップして次の手順を実施してください
1.4.1 説明
OCM インスタンスの作成を実行するユーザーは、下記条件を満たす必要があります
- Oracle Identity Cloud Service (以降IDCS) よりフェデレーションされたユーザー (=IDCS ユーザー) であること
- IDCS の OCI_Administrators グループに所属していること (=OCI の管理権限が付与されていること)
1.4.2 IDCSコンソールを開き、IDCSユーザー(委任ユーザー)を作成する
IDCSコンソールにアクセスし、OCI_Administrators グループに所属するIDCSユーザー(=委任ユーザー)を作成します
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OCIコンソールに Oracle Cloud 環境を取得した際に作成した テナント管理ユーザー でサインインします。
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OCI コンソールの右上のユーザーアイコンをクリックし、「サービス・ユーザー・コンソール」 をクリックします
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ホームリージョンのデータセンター(ここではAshburnが所属するNorth America)を選択し、Oracle Identity Cloud Service の 「管理コンソール」 をクリックします
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IDCS コンソールが開きます。左ナビゲーションの 「ユーザー」 をクリックします
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「追加」 をクリックします
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「名」「姓」「ユーザー名/電子メール」 を入力し、「次」 をクリックします
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OCI_Administrators グループを選択し、「終了」 をクリックします
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作成した委任ユーザーに対してメールが送信されます。仮パスワードを利用し、OCIコンソールにサインインします。この時にパスワードの再設定します
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委任ユーザーで OCM インスタンスを作成する場合は、このまま次の手順を実施します
1.5 コンパートメントの作成
この手順は必須ではありません。
ただし、セキュリティ上の理由から、Oracleでは、既存のルート・コンパートメントを使用するのではなく、
新規コンパートメントを作成して使用することを強くお薦めします。
OCM インスタンスを作成する際に、コンパートメント(Compartment) を指定します。必要に応じて OCM インスタンスが利用するコンパートメントを事前に作成します。 ここでは、ルート・コンパートメント配下に OCE コンパートメントを作成します
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OCI コンソールを開き、左上のメニュー→ 「アイデンティティとセキュリティ」→「コンパートメント」 を選択します
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「コンパートメントの作成」 をクリックします
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「名前」 と 「説明」 を入力し、「コンパートメントの作成」 をクリックします(ここでは OCE コンパートメントを作成)
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OCE コンパートメントが作成されます
2. OCM インスタンスの作成
インスタンスを作成します。ここでは、ホームリージョンである US East(Ashburn)
で作成します
2.1 OCM インスタンスを作成するリージョンについて
インスタンスは、OCI のホームリージョンが所属するデータ・リージョン内に作成 することを推奨します。
OCI のホームリージョンではないデータ・リージョンで OCM インスタンスを作成する場合、OCM インスタンスを作成するリージョンと同一のデータ・リージョンの IDCS をユーザー管理に使用しなければいけない(=ホームリーションにあるOCIとのフェデレーションが事前定義されたPrimaryのIDCSを利用できない)、という制限があるため
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例)OCI のホームリージョンが 東京(ap-tokyo-1) の場合
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APAC データ・リージョン内のリージョン(東京、大阪、ソウル、シドニーほか)にOCMインスタンスを作成
- APAC データリージョンの IDCS を利用(Primary の IDCS。OCIとのフェデレーションが事前定義済)
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NA(北米)データ・リージョン内のリージョン(Ashburn、Phoenixほか)にOCMインスタンスを作成
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NA(北米)データリージョンの IDCS を利用(Primary ではない IDCS。OCI とのフェデレーション設定なし)
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ユーザー情報の管理が Primary の IDCS と NA の IDCS で別々の管理となる
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参考情報
2.2 OCM インスタンスの作成
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OCI コンソールを開きます
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OCM インスタンスを作成するホームリージョン(例: Japan East(Tokyo) など)を選択します。このでは US East(Ashburn) を選択しています
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左上のメニューをクリックし、「開発者サービス」→「コンテンツ管理」→「インスタンス」 をクリックします
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画面左の「コンパートメント」より、OCMインスタンスを作成するコンパートメント (ここでは OCE コンパートメント)を選択し、「インスタンスの作成」 をクリックします
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「インスタンス名」 と 「説明」 を入力します
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「コンパートメント」 にあらかじめ選択したものが設定されていることを確認します(この場合 OCE コンパートメントを選択)。選択されていない場合は、ここでコンパートメントを選択します
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「License Type(ライセンス・タイプ)」 を選択します(ここでは Premium Edition を選択)。ライセンス・タイプの詳細は 2.4 OCMインスタンスの作成オプションについて をご確認ください
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「インスタンスの作成」 をクリックします
[TIPS]
インスタンス名は、OCE インスタンスにアクセスする際の URL に含まれます(下記URLの <OCE Instance> に該当)
https://<OCE Instance>-<Cloud account>.cec.ocp.oraclecloud.com/documents/home -
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インスタンスの作成(プロビジョニング)が開始されます。プロビジョニング中のインスタンス名(ここでは OCE002)をクリックします
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しばらく待つと、OCM インスタンスの作成が完了します。OCM インスタンスがアクティブであることを確認します
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OCM インスタンス詳細の 「インスタンスのオープン」 をクリックします
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OCM インスタンスのホーム画面が開きます
2.3 OCM インスタンスの作成完了後の確認
この手順は必須ではありません
OCM インスタンスの作成により、OCI に以下のリソースが自動的に作成されます。必要に応じて確認してください
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オブジェクトストレージに OCM 専用のバケットが自動生成されます
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バケット名の指定や変更はできません
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OCM インスタンス利用中は削除しないでください
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ルート・コンパートメントに OCE_Internal_Storage_Policy のポリシーが自動生成されます。ポリシーを確認するには、「アイデンティティとセキュリティ」→「ポリシー」で、ルート・コンパートメントを選択します
- このポリシーは、OCM インスタンス利用中は削除しないでください
また、OCM インスタンス作成ユーザーに対して、Welcome to Oracle Cloud. Your Content Management service is ready for use
の通知メールが送信されます
2.4 OCMインスタンスの作成オプションについて
OCMインスタンスを作成する際に、様々なオプションを選択することができます。ここでは、そのオプションについて説明します(※ 太字斜体 がデフォルト設定)
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ライセンス・タイプ
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Premium Edition (OCMのフル機能を利用できる新規ライセンスを取得)
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BYOL Edition (所有するOracle WebCenterライセンスを持ち込む)
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Starter Edition (OCMの機能限定版ライセンスを取得。Always Free の対象)
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インスタンス・タイプ
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プライマリ (プライマリーインスタンス。本番環境等で利用)
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プライマリでない (非プライマリーインスタンス。本番用のプライマリインスタンスとは別に開発/検証/災害対策等の環境として利用。Starter Edition選択時は項目選択不可)
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アップグレード・スケジュール
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即時アップグレード (新しいリリースが利用可能になったら即座にアップグレードされる)
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アップグレードの遅延 (新しいリリースが利用可能になっても、1リリースサイクル遅れてアップグレードされる。Starter Edition選択時は項目選択不可)
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インスタンスのアクセスタイプ
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パブリック (パブリックなインターネットを経由したアクセス)
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プライベート (OCI FastConnect による閉域網アクセス。Starter Edition選択時は項目選択不可)
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代替のIdentity Cloud Serviceの使用
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デフォルトのIDCSインスタンスではない別のIDCSインスタンスを、OCMユーザーの管理で利用する場合のみ指定(例:本番環境と開発環境でユーザー管理を別々にしたい)
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「IDCSドメイン名」と「IDCSドメインID」を指定する
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Starter Edition選択時は項目選択不可
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以下のマニュアルも合わせてご確認ください
以上でこのチュートリアルは終了です。